令和4年12月23日に令和5年度税制改正大綱が閣議決定されました。
その中でも、まだまだ対応に向けた準備が十分に進んでいないインボイス制度の激変緩和措置について、その内容を抜粋してお知らせいたします。
●消費税納税額の負担軽減措置
免税事業者からインボイス発行事業者になった方(2年前の課税売上が1000万円以下等の要件を満たす方)を対象に、消費税納税額を売上税額の2割に軽減する3年間の負担軽減措置を選択できるようになります。
●少額取引はインボイス不要とする事務負担軽減措置
2年前(基準期間)の課税売上が1億円以下、または1年前の上半期(個人は1~6月)の課税売上が5千万円以下の方は、1万円未満の課税仕入れ(経費等)については、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除ができるようになります。
●少額な値引き・返品について返還インボイスを不要とする事務負担軽減措置
値引きや返品時に発行する必要のあった返還インボイスについて、1万円未満のものについては、発行する必要がなくなります。振込手数料分を値引きする場合も対象です。
●登録申請期限の柔軟化
令和5年度10月1日の制度開始に間に合わせるための申請期限が、令和5年3月31日までとされてきましたが、4月以降に提出される登録申請書において、期限に間に合わなかった困難な事情の記載が求められないこととなり、4月以降の登録申請でも、制度開始時に登録できるようになります。
また、防衛費の財源確保のための税制措置として、令和6年以降の適切な時期に、下記の内容が講じられる予定です。
●法人税額に対し、税率4~4.5%の新たな付加税を課す。ただし、中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から 500万円を控除することとする。
●所得税額に対し、当分の間、税率1%の新たな付加税を課す。かわりに、復興特別所得税の税率を1%引き下げる。
その他の税制改正の大綱の概要はこちらをご覧ください。